エッセンス・ランボー

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「売ってくれよう。豪商の民でさえ、かつて売ったことのないものを。いかなる貴族や罪人でさえ、かつて味わったことのないものを。群衆の呪われし愛や、地獄の実直さえ、露知らぬものを。時や科学の、知るべくはずもないことを──」

「売ってくれよう。全民族、全性別、全血統、全世界を超越した、はかり知れぬ価値の〈肉体〉を。その一歩ごとにほとばしる豊穣。制御しえぬ金剛石のセール。群衆がための無秩序、残酷なる愛。運動、ざわめき、夢幻、夢幻の豪奢。それらの創りあげる未来。未聞の計算の適用。未聞のハーモニーの跳躍。瞬間の掌握。感じとることのできぬ歓喜への、目に見えぬ壮麗への、狂った無限の跳躍を。決して、売りに出されるはずのなかったものを──」

「わたしの無邪気さには、涙が零れる。人生など、みんなで演じる、茶番劇ではないか。」

「絶対的に現代的でなければならない。」

アルチュール・ランボーの精選詩文集です。彼の全文章から抽出した詩文を再構成し、その詩業のエッセンスを提示しようと試みています。

いまこのときに、きみの地獄の季節を生きているすべてのきみたちへ。そしてまた、それを生き延びてきた、すべての大人たちへ。

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